体調&症状別サウナ活用法
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肉体疲労、精神疲労から解き放すサウナ
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私たちは、よく“疲れた”といいます。確かに現代人は、疲れているといわれます。
が、ひと口に疲れといっても、その内容は複雑ですし、疲れの感じ方にも個人差があります。
たとえば、疲労は肉体的な疲労、精神的な疲労、神経感覚的な疲労の3つに大別することができますし、その肉体疲労でも、労働の疲れ、寝不足による疲れ、暑さによる疲れ、勉強による疲れ、とその原因によって疲れの程度も違います。
最近のストレスや刺激に満ちた情報社会での現代人の疲労は、肉体的疲労に加え、人間関係とか仕事上の悩みとか、さまざまな要素がからみ合って、複雑なものとなっています。
そうした疲労を解消できないままに、毎日、仕事や家事、勉強に追われているうちに、疲労が蓄積されて、半健康状態、病気などになっているわけです。
ですから、疲労はできるだけ早いうちに解消するよう、上手な疲労回復の方法を自分なりに見つけるようにしたいものです。
サウナは、その意味では、たいへん手軽にできる疲労回復としておすすめできます。
肉体的な疲労 体内に疲労物質がたまって、さまざまな疲れがでるのです
頭がぼんやりする、頭が痛い、体がだるい、筋肉全体がだるかったり、痛かったりする、足がだるい、すぐ横になりたい、あくびがよく出る、目が疲れる……などです。
こうした肉体的な疲労は、スポーツの疲れ、仕事の疲れ、肉体労働による疲れなどによるもので、ほとんどの場合は、急性疲労としてあらわれます。
●乳酸を体外へ排出するのが大切
肉体的な疲労がなぜ生じるかといいますと、それは体内に疲労物質がたまることによって起きるのです。その疲労物質を乳酸といいます。
ですから、疲労回復をはかるには、体内にたまった乳酸を早く体外へ排出することです。
そのためには、睡眠・休息などをとるわけですが、急性の疲労にもっとも効果的なのが入浴です。
昔から、労働の疲れには、熱い風呂にゆっくりと時間をかけて入るのがよいといわれていますが、これは実験によっても裏づけられています。
たとえば、42〜43。Cの風呂に10分間入ったときと、自分が入れる限度の熱い湯に我慢して入ったときの効果を調べた結果では、熱い湯に我慢して入ったほうが、血中乳酸濃度がかなり低下する、というデータが出ています。
つまり、高温浴・短時間浴のほうが代謝を促進し、疲労物質を早く排除するのです。
しかし、45。Cという高温の湯に誰もが入れるというわけではありません。
その点、高温乾燥浴のサウナは、誰もがラクに入れるわけで、疲労回復には最適の入浴法といえます。
疲労回復効果 サウナ浴をすると、こんなに乳酸濃度が減るのです
とくにサウナは、頭が重い、全身が疲れてだるい、足がだるいなどの肉体疲労の回復や肩がこる、腰が痛いなどの神経感覚的疲労にサウナ浴が効果があることがわかっています。(グラフ参照)
温度や入浴時間を変えたさまざまなサウナ浴で、血液中の乳酸濃度を調べた実験によりますと、温度が高いほど、また入浴時間が長いほど、疲労回復の効果が大きいことがわかっています。
●サウナ浴のあとは安静に…
ですから、激しいスポーツや肉体労働をしたあとには、90〜100。Cのサウナに10分間入って、汗をたっぷり流すと、疲労回復を早めることができます。サウナに入っている時は、全身の力を抜いて、心身ともにゆったりとした姿勢でいるようにします。
こうした高温で入った場合は、体への刺激は強くなり、入浴直後は血圧も急上昇します。しかし、まもなく血管が開いて血圧も下がり、代謝も促進されますから、ぬるい湯に入るかシャワーを浴びて血管を収縮させます。
こうしてサウナから出た後は、横になるか、低い椅子に坐って30〜60分間安静にしていることが必要です。
また、初めに高温で時間が長いほうが効果があると述べましたが、これは1回浴の時間の長さをいっているのではありません。サウナに入っているトータルの時間のことです。
1回浴で長く頑張るよりは、3回ぐらいの反復浴のほうが効果があります。
また、お年寄りや体の弱い人の疲労回復を目的としたサウナ浴は、高温の持続浴、反復浴は、かえって疲れて逆効果になります。
80〜90。C程度の温度で、十分に汗を流して疲れをとるようにします。
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