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体調症状別サウナ活用法
 お年寄りや子供のサウナ浴 

 サウナが100Cという高い温度でも火傷せずに入れるのは、湿度が低いからです。
 フィンランドで発達したサウナは、強く熱したサウナストーンに水をかけ、蒸気やイオンを発生させるものですが、密閉した室内が80〜110Cの高温となっても、湿度は10〜30%にしかなりません。この高温乾燥が体によい効果をもたらすのです。
 ホームサウナの場合は高くても90C前後が適当ですが、これはサウナ温度が高すぎると、呼吸器や心臓への刺激が強く、脈拍数も毎分150〜160拍、血圧も人によっては200mm以上になることがあるからです。
 

 サウナの温度  本格高温サウナでも、お年寄りや子供は70〜80度Cから

 ふつうのお風呂と同じように、高温乾燥のサウナ浴の直後には、私たちの体の血液は拡張した体表部に集まっています。
 ですから、急にサウナから出ると、お年寄りや体の弱い人は脳貧血を起こして倒れたりします。
 せっかくのサウナが、自分の体の状態に合っていなかったり、適温でなかったりすると健康増進どころか、非健康状態をもたらしかねないのです。
 ですから、高血圧症や糖尿病などの成人病や肥満、貧血などの慢性病のある人は、サウナ浴の適温は70〜80を守るようにしましょう。



 漸増入浴法  低めの温度でサウナ浴にからだを馴らして、徐々に高温へ

 お年寄りや子供、さらには成人病や慢性病のある人は、70〜80の低めの温度を守るとともに、漸増入浴法をおすすめします。
 漸増温浴とは、低めの温度から徐々に高めの温度にしていくサウナ浴法で、温度刺激が少ないこと、心拍数や血圧の初期上昇が少なく、かつ、元へ戻るのも早いので、体への負担が少なくてすみます。

●お年寄りとサウナ
 お年寄りの場合は、初めは60ぐらいの低めの温度から始め、徐々に上げて75ぐらいまでにします。この時間は10分ぐらいです。こうしますと、血管の拡張もゆるやかですから、体への刺激も少なくてすみます。
 ただ、注意しなくてはならないのは、出てからの湯冷めです。
 漸増入浴の後は、血管もしばらく広がったままですから、体温の放散も大きく、その上、体はよく暖まっているので寒さの感じ方が鈍くなっています。そんなわけで血管が開いているうちに体温が低下して、湯冷めすることがあるのです。

●幼児や児童とサウナ
 また、体温調整がまだうまくいかない幼児や児童は、せいぜい70度、高くても80を越えない低温浴を守ってください。なお、子供は乾燥した熱気に弱く、サウナ浴中に呼吸困難を訴える場合もありますから、濡れたタオルを口にあてて入るようにします。

●心臓に自信のない人
 心臓に自信のない人なら、60前後から始めて、10分間ぐらいの間に75度程度まで上げていきます。こうすれば温度は低くても新陳代謝は高まり、サウナの効果を生かせます。高血圧の人も、糖尿病、肥満の人も漸増温浴が安全です。

●注意したい反復浴
 また、一般的にはサウナ←→冷水浴の反復浴がすすめられていますが、お年寄りや慢性病のある人、体の弱い人、さらに幼児は反復浴や、20分、30分という持続浴は体への負担が大きいので、7〜8分で十分に汗が出たら、ぬるい湯に入って完了、という1回浴がいいでしょう。
 そして慣れてきたら、少しずつ反復浴に切り替えてもよいでしょう。その際も冷水浴よりは、ぬるい湯またはシャワーにします。
 サウナに対し、高温信仰を持っている人は少なくないようですが、温度の低めのうちに入って、体が温度に適応するにつれ温度を少しずつ上げていく−つまり時間的余裕を持ちながら入ることが上手な入り方といえます。



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