お年寄りや子供、さらには成人病や慢性病のある人は、70〜80。の低めの温度を守るとともに、漸増入浴法をおすすめします。
漸増温浴とは、低めの温度から徐々に高めの温度にしていくサウナ浴法で、温度刺激が少ないこと、心拍数や血圧の初期上昇が少なく、かつ、元へ戻るのも早いので、体への負担が少なくてすみます。
●お年寄りとサウナ
お年寄りの場合は、初めは60。ぐらいの低めの温度から始め、徐々に上げて75。ぐらいまでにします。この時間は10分ぐらいです。こうしますと、血管の拡張もゆるやかですから、体への刺激も少なくてすみます。
ただ、注意しなくてはならないのは、出てからの湯冷めです。
漸増入浴の後は、血管もしばらく広がったままですから、体温の放散も大きく、その上、体はよく暖まっているので寒さの感じ方が鈍くなっています。そんなわけで血管が開いているうちに体温が低下して、湯冷めすることがあるのです。
●幼児や児童とサウナ
また、体温調整がまだうまくいかない幼児や児童は、せいぜい70度、高くても80。を越えない低温浴を守ってください。なお、子供は乾燥した熱気に弱く、サウナ浴中に呼吸困難を訴える場合もありますから、濡れたタオルを口にあてて入るようにします。
●心臓に自信のない人
心臓に自信のない人なら、60。前後から始めて、10分間ぐらいの間に75度程度まで上げていきます。こうすれば温度は低くても新陳代謝は高まり、サウナの効果を生かせます。高血圧の人も、糖尿病、肥満の人も漸増温浴が安全です。
●注意したい反復浴
また、一般的にはサウナ←→冷水浴の反復浴がすすめられていますが、お年寄りや慢性病のある人、体の弱い人、さらに幼児は反復浴や、20分、30分という持続浴は体への負担が大きいので、7〜8分で十分に汗が出たら、ぬるい湯に入って完了、という1回浴がいいでしょう。
そして慣れてきたら、少しずつ反復浴に切り替えてもよいでしょう。その際も冷水浴よりは、ぬるい湯またはシャワーにします。
サウナに対し、高温信仰を持っている人は少なくないようですが、温度の低めのうちに入って、体が温度に適応するにつれ温度を少しずつ上げていく−つまり時間的余裕を持ちながら入ることが上手な入り方といえます。